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一流アスリートも実践。試合の緊張にマインドフルネスは効果的か?論文で検証|科学的根拠と方法

2025 10/23
トレーニング方法論
2025年10月23日

「ここ一番」という試合で、練習通りのパフォーマンスが発揮できない。

「また失敗したらどうしよう」という不安で体が硬くなり、頭が真っ白になる。

もしあなたが今、そんな「試合での緊張」に悩み、実力を発揮できずに悔しい思いをしているなら、この記事はあなたのためのものです。

じつは、その悩み、あなただけが抱えているものではありません。

テニスのノバク・ジョコビッチ選手、バスケットボールのマイケル・ジョーダン選手やコービー・ブライアント選手、テニスのセリーナ・ウィリアムズ選手、そして日本でも本田圭佑選手やイチロー選手。

彼らのような世界のトップに立つ一流アスリートたちが、キャリアを通じて「プレッシャー」と戦うために共通して取り入れてきたものがあります。

それがマインドフルネスです。

「マインドフルネスって、あの『瞑想』のこと? なんだか難しそうだし、宗教っぽくない?」 そう思うかもしれません。

確かに、マインドフルネスは瞑想の一種です。しかし、Google社で開発され、多くのビジネスパーソンにも支持されているプログラム『サーチ・インサイド・ユアセルフ』では、その定義が明確にされています。

それは、仏教的な宗教色を意図的に排除し、「脳科学」と「心理学」に基づいて再構築された、心のトレーニング方法である、ということです。

この記事では、なぜ一流選手がマインドフルネスを実践するのか、その効果は本物なのか、最新の「論文」が示す科学的根拠を、あなたの貴重な資料に基づき「5つの真実」として解き明かします。そして、「試合で緊張してしまう」あなたが今日から何をすべきか、具体的な「方法」までを徹底的に解説します。

ジョコビッチ選手もやってるんですね! でも瞑想って、僕にもできるかな…」
大丈夫です。これから紹介するのは宗教的なものではなく、『脳科学』と『心理学』に基づく科学的な心のトレーニングです。まずは理論から見ていきましょう。
この記事でわかること
  • 一流アスリートが実践するマインドフルネスの科学的な定義

  • 最新の論文に基づくパフォーマンスへの「5つの科学的真実」

  • 試合の緊張や本番で使える具体的な実践方法

  • マインドフルネス実践に必要な時間や頻度の目安


目次

「試合で緊張して実力が出せない」あなたへ。一流選手がマインドフルネスを選ぶ理由

なぜ、あれほどの一流選手たちがマインドフルネスを実践するのでしょうか?

それは、マインドフルネスが「今、この瞬間の自分」に意識を集中させ、不安や雑念といった「パフォーマンスを蝕むノイズ」から心を守るための、最も科学的で実践的なトレーニングだからです。

マインドフルネスの第一人者であるジョン・カバット・ジンは、マインドフルネスをこう定義しています。

「意図的に注意を今この瞬間に向け、次々と現れる経験に対して判断することなく気づいているプロセス」

試合中、「さっきのミスを引きずる」のは過去への後悔です。 「このまま負けたらどうしよう」と考えるのは未来への不安です。

マインドフルネスは、このさまよってしまう意識を「今、ここ」で行うべきプレーに引き戻す技術です。

あなたの悩みである「緊張」や「不安」という感情。 それを「ダメなものだ」と判断し、無理に消そうとすると、心は余計に抵抗し、体は硬直します。

マインドフルネスは、「あ、今、自分は緊張しているな」と、その事実を判断せずにただ気づき、受け入れる練習です。この「受け入れる」姿勢こそが、皮肉なことに、あなたをプレッシャーから解放し、最高のパフォーマンス(フロー状態)を引き出す鍵となります。

なるほど! 緊張を『消そう』とするんじゃなくて、判断せずに受け入れることが大事なんですね。
その通りです! その『心の状態』が、さまよう意識を『今』に戻してくれます。では次に、その効果を論文がどう見ているか、科学的根拠を見ていきましょう。

論文が示すマインドフルネスの科学的根拠:「試合の緊張」への効果は?

では、その効果は科学的にどれほど信頼できるのでしょうか?

「論文」というキーワードで検索するあなたのような知的なアスリートのために、複数の研究論文を統合・分析したレビュー(科学的信頼性が高い手法)に基づき、わかっている「5つの科学的真実」をご紹介します。

発見1:パフォーマンス、特に「精密スポーツ」で強力な効果

まず最も重要な発見は、マインドフルネスが単なる気休めではない、ということです。

Siらの研究チームが行ったメタアナリシス(複数の研究を統計的に統合したもの)では、パフォーマンスに対する効果量が「SMD = 0.92」と報告されました。これは統計的に「大きな効果」があることを示します。

目が悪い選手が、コンタクトレンズをつけて競技を行うくらい違います。

さらに驚くべきは、射撃やダーツ、アーチェリーといった「精密スポーツ」において、その効果が「SMD = 1.35」という「極めて大きな効果」として示されたことです(Bühlmayerら、Lochbaumら)。

目隠しをしている選手と目隠しをしていない選手が対決するくらいの差です。

ミリ単位のブレ、一瞬の雑念が勝敗を分ける精密スポーツで絶大な効果があるということは、「今この瞬間への集中」が、あなたのパフォーマンスを直接的に向上させる強力な武器になることを意味しています。

発見2:「精神的疲労(脳のスタミナ切れ)」を防ぐ

長時間の練習や連戦が続くと、体だけでなく「脳」も疲れます。この「精神的疲労」は、集中力や判断力を著しく低下させます。

Caoらのシステマティックレビューによると、マインドフルネスは、この精神的疲労を軽減し、疲労時でもパフォーマンスの急激な低下を防ぐのに役立つことが示されています。

試合の後半、誰もが疲れて集中力が切れてくる場面で、冷静な判断を維持できる。これは大きなアドバンテージです。

例えば『鬼滅の刃』の炭治郎は、極限状態でも呼吸によって集中力を取り戻し、冷静な判断を維持しているのと似ています。

発見3:睡眠の「量」ではなく「質」を改善する可能性

アスリートの命である「回復」。Cunhaらのレビューで引用された研究では、マインドフルネスは「睡眠時間(量)」には影響を与えなかったものの、「睡眠の質」と「パフォーマンス」を改善したことが報告されています。

試合前夜に緊張で「長く眠れない」ことより、「質の高い睡眠」をとること。マインドフルネスは、その手助けとなる可能性があります。

発見4:意外な事実?健康なアスリートの「メンタルヘルス」自体は改善しない

これは意外かもしれません。Wangらのレビューでは、「アスリートのメンタルヘルス(不安やストレス指標)に対しては、有意な介入効果は見られなかった」と報告されています。

これは、「すでに精神的に健康なアスリート」のスコアを、さらに良くする余地が少なかったためと分析されています。つまり、マインドフルネスは「病気を治す」ものではなく、健康なアスリートが「パフォーマンスを最大化する」ためのツールである、と理解するのが適切でしょう。

発見5:【最重要】科学的根拠の「質」はまだ発展途上である

ここまで有望な効果を紹介してきましたが、最も誠実にお伝えすべき真実がこれです。

Xieらのアンブレラレビュー(レビュー論文をさらに統合した、最も信頼性の高い研究)は、衝撃的な結論を報告しています。分析対象となったレビュー論文の大半(73%)が、研究の方法論的な「質」において「決定的に低い」と評価されたのです。

これは「マインドフルネスに効果がない」という意味ではありません。

これは、マインドフルネスの核である「判断しない心」の状態を、科学的に厳密に測定することが非常に難しいためです。例えば、「判断しない」ことのプラセボ(偽薬)をどう用意するのか? 「気づき」をどう客観的に数値化するのか?

多くの研究が、まだこの難問に苦戦しているのです。 私たちが知っておくべきなのは、「効果は有望だが、その科学的根拠はまだ発展途上である」という冷静な事実です。わからないことは、まだ「わからない」と知っておくことが重要です。

3:論文レビューが示す「5つの科学的真実」

発見 科学的真実の要約 主な参照レビュー(例)
発見1 パフォーマンス向上に「大きな効果」 (特に射撃などの精密スポーツで顕著) Siら (SMD=0.92) Bühlmayerら (SMD=1.35)
発見2 「精神的疲労(脳のスタミナ切れ)」を軽減 Caoら
発見3 睡眠の「量」ではなく「質」を改善する可能性 Cunhaら (Jonesらの研究を引用)
発見4 健康なアスリートのメンタルヘルス指標自体は改善しない可能性 Wangら
発見5 研究全体の科学的根拠の「質」はまだ発展途上 Xieら (73%が「質が低い」と評価)
『精密スポーツに絶大な効果』は希望が持てます!

でも、根拠の質は発展途上というのは驚きました。

そこが一番のポイントです。有望な効果と、科学的な『限界』の両方を知ることが重要です。

では、この事実を踏まえて『どう実践するか』に進みましょう。


試合前・本番で使える!アスリートのためのマインドフルネス実践方法

科学的根拠が「発展途上」なら、やっても無駄なのでしょうか? いいえ、逆です。ジョコビッチ選手やマイケル・ジョーダン選手が実践し、これだけの有望な研究結果が出ているのですから、「試す価値は十分にある」と言えます。

合わせて読みたい

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ここでは、研究でも用いられる安全で基本的な「方法」をご紹介します。

基本の「マインドフルネス呼吸法」のやり方(1日10分から)

まずは基本の練習です。これは「今、ここ」に意識を戻すための「心の筋トレ」です。

  1. 椅子に座るか、床にあぐらをかき、背筋を軽く伸ばします。

  2. ゆっくりと目を閉じます。

  3. 意識を「自然な呼吸」に向けます。鼻を通る空気の感覚、お腹の膨らみ・縮みなど、一点に集中します。

  4. (最重要)しばらくすると、必ず他の考え(「今日の夕飯何にしよう」「あのミスは…」)が浮かんできます。それに気づいたら、自分を責めずに、「あ、考えがそれたな」と優しく認識し、そっと意識を呼吸に戻します。

  5. これを繰り返します。

【シーン別】試合のプレッシャーを感じた時の「3分間」実践方法

「試合前、ロッカールームで緊張がピークだ」 そんな時は、長い瞑想は必要ありません。上記の呼吸法を、たった「3分」だけ行ってみてください。

  1. ベンチや床に座り、目を閉じます。

  2. 「吸って…吐いて…」と、呼吸の感覚だけに集中します。

  3. 周りの雑音や、心臓の鼓動、不安な気持ちが湧いてきても、それを「消そう」とせず、「ただそこにあるもの」として観察し、意識を呼吸に戻します。

たった3分でも、さまよっていた意識を「今」に引き戻し、心をリセットする効果が期待できます。

練習から取り入れる方法と継続のコツ(何分やればいい?)

マインドフルネスの効果を実感するには、継続が不可欠です。 「一体、何分やれば効果があるの?」という問いがあります。。

  • 頻度と時間: 科学的研究で効果が示されているモデルの多くは、「1日10分〜20分程度の自主練習」を「6週間〜8週間」継続する形式を採用しています。

  • まずは20分を目標に: まずは基本の呼吸法や、仰向けになってつま先から頭まで順番に意識を向けていく「ボディスキャン」を、1日20分程度、毎日続けることを目指してみましょう。

  • 日常に取り入れる: 歯を磨く時、「歯ブラシの感覚」だけに集中する。歩いている時、「足の裏が地面に触れる感覚」だけに集中する。このように、日常の動作を「心のトレーニング」にすることも非常に効果的です(インフォーマルな実践)。

「継続のコツ」実践スケジュールの目安

項目 目安 ポイント
推奨時間 1日 10分〜20分 まずは「1日10分」からでもOK
推奨期間 6週間〜8週間 科学的研究で多く採用される期間
内容 ・基本の呼吸法 ・ボディスキャン など 継続することが最も重要

※実践上の注意点

一点だけ、重要な注意点があります。マインドフルネスは安全なトレーニングですが、研究では「既存のうつ病や不安といった精神状態を悪化させる可能性」も指摘されています。もしあなたが現在、精神的な不調で治療中である場合は、必ず専門の医師や臨床心理士に相談の上で実践してください。

るほど!研究の目安は『1日20分を6~8週』なんですね。

試合前の3分でもいいなら、すぐ試せそうです!

はい、まずは『継続』が鍵です。このスキルは、あなたの競技人生だけでなく、その後のキャリアでも必ず役立つ『一生モノのスキル』になりますよ。

ビジネス界でもビル・ゲイツや、スティーブ・ジョブスが瞑想の実践者として有名です。


まとめ:マインドフルネスの科学的根拠を正しく理解し、「ここ一番」のパフォーマンスにつなげる方法

マインドフルネスは、魔法でも精神論でもありません。 それは、あなたの「意識」を意図的にコントロールし、緊張や不安といった「心のノイズ」に振り回されず、「今、ここ」で最高のパフォーマンスを発揮するための、科学的な心のトレーニング技術です。

今回ご紹介したように、

  1. パフォーマンス(特に精密スポーツ)に強力な効果が期待できること。

  2. 「精神的疲労」を防ぎ、睡眠の「質」を高める可能性があること。

  3. その一方で、科学的な研究の「質」はまだ発展途上であること。

  4. 実践は「1日10分〜20分」の継続が鍵であること。

これらの事実を冷静に理解した上で、あなたのトレーニングに導入することが重要です。

そして、このスキルはスポーツのキャリアを終えた後も、一生あなたを支える財産になります。 アップルのスティーブ・ジョブズ氏や、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏など、世界のビジネスリーダーたちが実践していることからもわかる通り、プレッシャーのかかるビジネスの現場でも、この「心を整える技術」は強力な武器となるでしょう。

「論文を読むのは難しいけれど、もっと科学的に知りたい」 そう思った方には、この記事でも紹介したGoogleのプログラムを解説した書籍『サーチ・インサイド・ユアセルフ(Search Inside Yourself)』をお勧めします。宗教色がなく、脳科学と心理学の観点から非常に分かりやすく解説されています。

リンク

 

「試合で緊張してしまう」という悩みは、あなたがそれだけ真剣に取り組んでいる証拠です。 そのエネルギーを、マインドフルネスという新しいツールで、あなたの望むパフォーマンスに変えていきましょう。

参考文献

  1. Bühlmayer, L., Birrer, D., Röthlin, P., Faude, O. & Donath, L. (2017). Effects of Mindfulness Practice on Performance-Relevant Parameters and Performance Outcomes in Sports: A Meta-Analytical Review. Sports Medicine, 47, 2309–2321. doi: 10.1007/s40279-017-0752-9.
  2. Cao S, Geok SK, Roslan S, Qian S, Sun H, Lam SK, Liu J. Mindfulness-Based Interventions for the Recovery of Mental Fatigue: A Systematic Review. Int J Environ Res Public Health. 2022 Jun 26;19(13):7825. doi: 10.3390/ijerph19137825. PMID: 35805484; PMCID: PMC9265434.
  3. Cunha, L.A., Costa, J.A., Marques, E.A. et al. The Impact of Sleep Interventions on Athletic Performance: A Systematic Review. Sports Med – Open 9, 58 (2023). https://doi.org/10.1186/s40798-023-00599-z
  4. Lochbaum M, Stoner E, Hefner T, Cooper S, Lane AM, Terry PC. Sport psychology and performance meta-analyses: A systematic review of the literature. PLoS One. 2022 Feb 16;17(2):e0263408. doi: 10.1371/journal.pone.0263408. PMID: 35171944; PMCID: PMC8849618.
  5. Si XW, Yang ZK, Feng X. A meta-analysis of the intervention effect of mindfulness training on athletes’ performance. Front Psychol. 2024 May 31;15:1375608. doi: 10.3389/fpsyg.2024.1375608. PMID: 38939219; PMCID: PMC11210447.
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  7. Xie B, Lei S, Choi N, Choi SM, Wang X, Chen Y. Impact of mindfulness-based interventions on sports performance and mental health: An umbrella review. J Exerc Sci Fit. 2025 Oct;23(4):261-272. doi: 10.1016/j.jesf.2025.06.008. Epub 2025 Jun 28. PMID: 40689310; PMCID: PMC12273557.
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